最近のバイクはすごく乗りやすく、故障もしません。
いきなり長距離ツーリングを企画しても、移動機関としてのバイクに対して、心配は皆無といえるでしょう。
そう、最近のバイクはガソリンさえ切らさなければ何処までも走り続けるのです。
そういう快適な環境がバイクのすべてと信じているあなた、しばしの間ビンテージバイクの世界へお連れ致しましょう。

このR50、履歴が全部残っています。
初代は名古屋のお医者さん。当時新車で購入され、とても大事にされていました。
2代目は奈良の収集家。エンジンのOHと再塗装をされました。
3代目は大阪のBMW愛好者。キャブ交換とドレスアップをされました。
そして4代目の六宝の手に・・・。
新車と言っても信じる人がいるぐらいピッカピカに磨き上げられた車体は、芸術品の領域に達しています。

特徴的なアールズフォークは1955年のR50から1969年のR69Sまでの期間、製作されました。
こいつはこの形状の初期モデルです。
半世紀も昔のバイクではありますが、メンテナンスさえしていればいつでも普通に走ってくれます。



旧車の楽しみ方

 一概には言えませんが、六宝は1970年以前のバイクを旧車と分類します。理由は、しきたりがあるか無いかで区別しています。
古いバイクは、付き合い方にしきたりがあって、それを守らないと、ものすごく不機嫌になります。

 このR50も、やたらしきたりがうるさいです。エンジンをかける時からクラッチをつなぐ時、加速する時、シフトチェンジする時、コーナーをせめる時だってしきたりがついて回ります。それをうっとうしいと思うか、楽しいと思うかで、旧車に乗れるかどうかが決まってきます。

 良くたとえられる事に、わがままな彼女をかわいいと思うか憎たらしいと思うか・・・と言われます。
彼女と違う所は、手をかければそれだけ正直に返してくれる事ですかねぇ・・・(^^ゞ。

R50の走行観

 エンジンのかかりにくさはイグニション点火の宿命でしょう。しかし一度息をすればその音と振動は今まで体験した事のない世界に誘います。以前このバイクについて「泣く」と表現した人がいます。他のバイクが笑っていたり怒っていたりすましていたりしますが、このバイクだけ泣いていると言うのです。その表現は正解だと思います。

 外観から、「今時のバイクではない」と確実に実感できるでしょう。六宝は昔、親父のR50を知っているので一種の郷愁があり、ごく自然に受け入れましたが、今時のバイクしか乗った事のないライダーには強烈な「乗りにくさ」を実感するでしょう。しかし、これほど実用的な性能を持ったバイクが当時存在しなかった事は事実で、その乗り方さえ理解すれば恐らく今のバイクより遥かに「乗っていたい」と感じる事は間違いありません。

 冒頭「移動機関」という表現をしましたが、それなら自動車や飛行機の方がずっと効率的です。それならあなたはなぜバイクなんですか?。あなたがもし人生を共に過ごす伴侶に「旅」を選ぶなら、こいつはあなたに最後まで付き合ってくれますよ。

旧車とつきあう3格言

格言 その1
  エンジンストップは己の技術不足である。
 ガソリンエンジンは吸入、圧縮、膨張、排気の4行程を繰り返していれば、動き続けるものです。
基本を忘れずにチェックしていれば、おのずとエンジンの状態がわかってきます。


格言 その2
  道は、自己中心ではしれ。
 旧車は、どんなに頑張っても今の交通事情には合いません。廻りが速いからといっても、決してあせってはいけません。そのバイクが新車だった頃の交通事情はどんなだったか、常に思ってください。


格言 その3
  自分のバイクは世界で1台と自覚しろ。
 どれほどオリジナルに近付こうとも、保安部品や代替部品等なにがしかの改造が加えられているのが旧車です。つまりあなたの車は世界でたった1台しか無いのです。
大切にしてあげてね。




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