6V→12V

     6V→12V DC-DCコンバーターの製作


バイクツーリングは走り始めると強制的に止められるのが嫌になりますね。
特に高速道路料金所なんて止めてグローブはずして財布まで出さなければならず、寒い日や雨降りの時なんか憂鬱になります。
そんな悲しいライダーにETCという救世主が現れました。
しかしおそらく12V仕様でしょう。
六宝の宝物R50は6V仕様なので12VのETC装置を付ける事ができません。
いずれは付けたいETC・・・という訳で先にDC-DCコンバーターを作っちゃう事にいたしました。

製作コンセプト
ETCの消費電力は最大で約500mAです。この容量を安定して供給する必要があります。
取り付け位置をトランクルームとしてできるだけ薄くします。

部品
マキシムダラスというメーカーがワンチップDC-DCコンバーターを販売しています。
その中にMAX1771(http://japan.maxim-ic.com/quick_view2.cfm/qv_pk/1030)というのがありまして、外付けFETを介して12V2Aを90%の効率で取り出す事ができる様です。
これを使えば非常にお手軽に12Vを得る事ができそうです。

部品集め

パーツ名 品番 備考
DC-DC
コンバーター
MAX1771 ネットで購入
MOSーFET 2SK2311 ※1
SBD IN5817 ※2
コイル 22μH ※2
抵抗 40mΩ ※3
シリコンD 2A ※4
その他 100μ10V・20μ16V・0.1μ
ケース等
DC-DCコンバーター 回路図
回路は簡単ですがパーツの定格や配置でずいぶん効率が変わります。

※1、FETはON抵抗(DS)と逆伝達容量(Crss)の低いのを探してください。2SK2311はあまり効率が良くありません。
※2、SBDとコイルはジャンク屋で24V→12Vコンバーターユニットが200円で売られていたのでそれを使ってます。
   なので品番は不明。
※3、パーツ屋で0Ωというのがありましたのでそれを使ってます。
※4、たとえばOUTが12V1Aとすると単純計算で入力側は6V2Aとなります。

※※・・・とにかくパーツの選定で効率が大きく変わる様ですのでこの部品表にとらわれず、マキシムダラスのHPを参考に部品集めをしてください。

実験

動作原理はわかるのですが自信がないので実験から始めます。
穴あき基板にパーツを組み付けて電源ON、おおっ12V電球が灯るではないか。
無負荷時は12.09V 12V10W電球がまぶしい・・・

このパーツでの効率は以下の通りです。

負荷容量 12V 10W  電球 (14Ω) 52Ω 抵抗
無負荷時 入力 6V       40mA
出力 12.06V     0A
負荷時 入力 6V      1.83A 入力 6V      0.66A
出力 11.35V  0.73A 出力 12.06V  0.22A
12V10Wの負荷時は11.35Vまで電圧降下し、0.72A流れます。 効率は75.5%です。
52Ω抵抗の場合は12.06Vのままで0.23A流れています。効率は66.9%となりました。
最大2Aを90%の効率で取り出す為にはもっとパーツの選定をする必要があります。

まぁ、このチップとしては不本意な値ですが六宝の当初の目的の範囲内なのでこれで製作します。

組み立て

1.穴あき基板のパーツを全部はずしてその基板に油性ペンで回路をトレース。
2.プリント基板と穴あき基板をしっかり固定し、パーツの刺さる部分に穴を開ける。
3.穴あき基板を見本にしてプリント基板に回路を書く。
4.カッターナイフで配線を切り出す。
5.パーツを取り付ける。

※あまり複雑ではありませんし基盤を放熱代わりに使うので、できるだけ銅部分を残す為にこういう方法をとりました。
※こんな簡単な回路なのにFETの配線をまちがえちゃった・・・回路を起こす時は注意しましょう。

完成

まだETCの購入に踏み切れないので当分は机の上のコヤシですね。
ケース内の様子、コイルがでかい 完成の図

2007年2月現在、バイク用ETCの価格は52500円!阪神道路公団の補助を受けても36750円かかります。
・・・快適さを使用頻度や財布の中身とを天秤にかけると、どうも快適さが不利のようです。
自動車用ETCと同じくらいの値段で手に入ると思っていた六宝って・・・ちょっと悲しい・・・(つД`)

追 伸
2008/03/07 JRM-12を購入 本体価格19950円、セットアップ2625円、ETC助成金▲15750円
取り付け工賃が無駄に高かったけど快調快調♪