DX250の思い出
私が2輪免許を取って間も無い1975年、友人から「買い替える」と言う事でYAMAHA HX90(青)を譲ってもらった。
自分で所持する初めてのバイクである。
早速テントをくくり付けて丹後半島一周のソロツーリングに出た。
綾部あたりだったろうか、後ろから1台のバイクが追い付いてくる。
間もなく追いつき追い越された。
その時チラッと横を見るとそのバイクはオレンジ色で私のHXと同じデザインであった。
そのバイクもテントがくくり付けてあった。
そいつは追い越した後、左手を高々と上げてピースサインをした。
出会いはこれで終わり。
自分が免許取り立てでHXを手に入れて間もない事や、その時の印象もそれほど強くなかったので「かっこええ」とか「欲しいなぁ」なんて思わなかった。
後々になってそれがYAMAHA DX250だと判ったが、その時はKAWASAKI 500SSやSUZUKI GT750に夢中になっていたので射程範囲から消え去っていた。その後2サイクルが嫌になって4サイクルに移行した。
DX250との再会
時は流れて、何気なくネットオークションを見ていると「YAMAHA DX250(不動車)」があった。
1975年当時の懐かしい思い出が甦る。
タンクが塗り替えられているし、シートやウインカーが違う。欠品もあると言う。何より「不動」。
2サイクルから卒業したけどあの加速感は捨てられないなぁ、久々に煙を吐くバイクも良いかなぁ・・・・なんて妄想に後押しされ・・・・ポチッ・・・・
そして、自分のもとにやってきた。
DX250復活作戦開始。
オークションの説明ではキャブレターの掃除程度で復活するだろうとあったがとりあえず確認。
全体に結構手が入っている。
カフェレーサー風にシートを付け替えたためフレームの一部が切り取られている。
きっちり組まれている所もあれば「なんだこりゃぁ~」てなやっつけ仕事の部分もある。
1、オイルポンプが殺されている。
2、クラッチ板が1枚足りない!
3、エンジンキーが違うものを無理矢理付けてある。
4、左ビームスイッチが折れた。
5、アクセルワイヤーの分岐が壊されている。
6、左フロントフォークオイル漏れ。右ダストカバーキャップがボンドで固定されていた。
7、クラッチプッシュスクリューにワッシャが挟んでありレバーが押し込めない。無理してたのでガタ発生。
8、コンタクトブレーカープレートのネジが1本締めてない。
9、ドライブスプロケットが締め込まれていない。辛うじてロックワッシャで止まっていたが・・・・。
10、リアタイヤがリムにイビツに入れてあったので縦に10㎜揺れていた。
11、右エキゾーストのガスケットリングが規格外。泥水が500㏄ほど溜まっていた。
12、ハイビーム表示ランプ(BA7S)に無理矢理BA9Sランプを押し込もうとしていたみたい。
まだ新しい機種(?)なので純正品ストックが注文出来たりオークションで中古部品が出ているので修理は比較的容易だった。
エンジンのセッティングを調整すると低速トルクが増えて振動が減った。
最後にウインカーをリプロだが当時のデザインのものに交換して、ETCを取り付けて一文字ハンドルに交換して・・・・
・・・・まぁこれぐらいにしてやろう・・・・。
YAMAHA DX250
1971年4月 ヤマハの250ccクラススポーツバイクとして登場
5ポート方式、オートルーブ機構、ツインキャブレター
全長 × 全幅 × 全高: 2,040mm × 835mm × 1,085mm
車両重量:138kg
エンジン型式: 空冷, 2ストローク, 並列2気筒, 247cm³ ピストンバルブ
最高出力: 22.0kW(30.0PS)/ 7,500r/min
最大トルク: 28.6N/m(2.92kgf/m)/ 7,000r/min
ボア×ストローク: 54㎜×54㎜ 圧縮比/7.1:1(6.7:1)
クランク角:180°
潤滑方式: 独立インジェクション(非プレミックス)
点火: 独立点火(2ポイント・2コイル)
発電機: オルタネーター
始動方式: キック
トランスミッション: 常時噛み合い 5速リターン
クラッチ: 湿式多板
1次減速: ギア
最終減速: チェーン
燃料タンク容量:12リットル
フロント 3.00/18 リア 3.50/18
最高速度:160Km/h(当時のカタログ値)
0~400m加速:14.8秒(当時のカタログ値)
販売価格(当時):¥196,000
この時代は資料がいっぱい揃っているので有難いね。
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