懐中時計


オークションにて300円で懐中時計がかけられていました。

誰も入札しない理由は全体が黒く汚らしく煤けている事とメーカー名の表示が無い事・・・だと思います。

しかし黒いのは純銀製、メーカー名が書かれていないのは明治時代の古い時計である可能性が高い・・・と推測しました。
で、入札。
で、めでたく落札♪

直径約55ミリの結構存在感のある時計です。

当然不動。
修理をしてくれるお店は知ってますが、ここは探求心旺盛六宝、自分でやってみようと思います。

さて、分解してみると中から砂粒の様なものが大量に出てきます。
ケースのガラスの下あたりに散乱しているのが砂粒です。
また随所にサビが発生しています。
これじゃ動きたくても動けないわなぁ。

裏蓋には「0.800」と「折り鶴」と「コロン」という刻印があります。
やはり純銀ケースの商館時計です。

うまく治れば儲けもの♪
・・・・治らなかったら・・・ただのオブジェ(泣。

リューズに修理跡があります。
針と文字盤、及びテンプ部分を外しました。
正直全部ばらすと六宝技術では戻せなくなる心配があります。できる事ならこの程度で済ませたい。

テンプの先端や石の摩耗を虫眼鏡で見ると、傷んでいません。(六宝的主観)
と言う事で単にゴミが詰まってるだけだと結論しました

この状態でアルコールをぶっかけてスプレーガンで吹き飛ばす作業を数回行いました。
恐らくこれで砂粒や固執した油は流れ去ると思います。

ネジを巻くと最後まで戻りきる様になりました。
テンプを取り付け、最後にシリコン系潤滑スプレーを吹きかけた後、テンプに注意しながらスプレーガンで不要なオイルを吹き飛ばしました。
ネジをいっぱいまで巻くと約2日動きます。

1日の誤差は微調整で1分以内に納まりました。
正確に言うと最初の1日は遅れ、2日目は進みます。

やった!実用に供する懐中時計が手に入った。
最後にもう一度メカを外してケースを磨きます。
ハブラシと商品名ピカールでゴシゴシ。

洗剤で磨き粉成分を洗い流して良く乾かして再度組み付けて出来上がり〜。
ネットで検索すると、裏面の模様はきれい好きな日本人の為に手垢が付いても跡が残らない様にするデザインだとか。

オマケで付いていたストラップも古そうだけど金属製と違って時計自体に傷を付けないのでこの方が良いかな。
でも金属製の方がスーツのポケットから格好良く見えるかも。

・・・・今後の課題です。
約100年前の商館時計15石です。

ケースは純銀製。
ムーブメントはスイス製。
文字盤は陶器製。
時間合わせはダボ押し。
リューズを押せば裏蓋が開き、ガラスで覆われたメカを見る事ができます。

レトロな懐中時計はメカが大きいので安心できますね。
腕時計の様な精度を重視する事も無いし、シビアな誤差に神経質になる事もありません。

大事に使えばあと100年は保ちそうです。