六宝のバイクは6V仕様なので、ただでさえ12V仕様のカーナビなんか付けられませんしスペース的にも不可能です。
探しますと山歩き用のGPSナビが数種類あると知りました。これなら6Vバイクや自転車へ取り付けても使えますし、持ち歩きもできます。
今回は「実験動物26号」に取り付けてみようと思います。
六宝の選んだ機種はMitac製Mio168。 基本構造はWindowsCEで動作するGPS機能付きPDFです。 使用方法などはMio168を極めたサイトがいくつもありますのでそちらをご覧ください。 ここは六宝的感覚でこのPDFを使いこなしていこうと思います。 |
利点
1,外部電源は5Vなので6Vバイクで使用可能。もちろん内蔵電池でも動作します。
2,基本構造が「パソコン」なので拡張性が高い。ネット接続、メール交換は当然、WordやExcelなんかも入っています。
3,ベーシックモデルなら値段が安い。フルモデルからすると約半額で購入できます。
難点
1,防水じゃない。
2,バイクへの取り付け方法が難しい。
製 作 編
外部電源端子を作る 付属の車用シガーソケットアダプターを改造します。 本体に付く方のソケットをばらして1.1φの電源ジャックを取り付けます。 これでACアダプターから直接電源を供給できるようになりますし、自作電池パックを製作して接続もできます。 |
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6V→5V変換アダプターを作る 普通の3端子レギュレーター(1A)です。 こいつは本来、INとOUTで1.2V以上の差が必要ですのでINが6.2V以下だと5Vが確保できません。 しかしこの状態でもMioは動作するので問題無い様です。 走行中のOUTは5 Vまで上昇しています。 設計で0.5W程度の発熱という計算をしたので放熱対策を殆どしていません。 ちなみに全く同じ回路で12V→5Vが作れますが、一般的な放熱対策が必要です。 |
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実際に実験してみますとMio 168が充電状態の場合、それだけで最大500oA程度消費します。 このままバックライトを点灯させGPS動作させると最大800oAも消費するんです。最大で2Wの発熱が予想されます。 設計ミスで放熱が貧素ですが6V仕様なら大丈夫でしょう。 Mio168の仕様書はあくまで内蔵電池(3.7V)を使用した時の値です。 外部電源(5V)の場合の消費電力は、GPSまで入れると、充電満杯の場合でも300oA、バックライト消灯時でようやく200oA 程度になります。 ちなみに12V→5Vのアダプターを作る場合は最大8W程度の放熱容量が必要です。 |
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おまけも作るのだ ついでに自転車でも使えるように電池パックも作っちゃいましょう。 内蔵電池はNi-Li充電電池3本分(3.8V)ですので外部電源は4本分(4.8V)あればOKです。 取り付けが面倒なので電池ホルダーごとポシェットに入れちゃってどこかにぶら下げて使用します。 かなりのやっつけ仕事です。 また、MP3も聞けるように変換アダプターも作りました。 結構良い音ですが小さな音で鳴りません。野外で使うならこの程度でも良いのかも知れませんが六宝的にはヘッドホンとの間にアッテネーターが必要です。 |
2oのアルミ板を加工しアッパープラグに取り付けます | |
余談ですがハンドルは電波時計が占領 | 走行の邪魔にはなりません |
機能説明
GPSナビ機能は昭文堂のモバイルマップルが標準添付されています。
地図情報・・・通常は親パソコンから必要部分だけSDカードにダウンロードし使用します。手持ちの250メガバイトでも十分なデーターが入ります。
内蔵電池のみで使う場合は電力を消費するSDカードを使わずに、市町村単位で細かく加除したり、地図の「中」のみを入れるといったことでデーター量を調節し、
必要部分だけ本体メモリーにダウンロードします。
自転車ツーリング程度ならこれで実用になります。自宅付近もいらないもんね。
カスタム情報・・・・地図上に付属的に書き込む情報の事。走行履歴や名所旧跡情報、製作した走行計画などです。
親パソコンで目的地情報を作成し取り込んでおきましょう。
この情報は拡大率を小さくしても画面上に表示されるので走行中チラッと画面を見るだけで目的地に向かって進んでいるかどうかわかります。
また走行計画を作成して取り込んでおけば、逆に拡大率を大きくしても次の交差点をどちらに向かえば良いかわかるようになります。
その他の機能
ワード・エクセル・・・画面が狭いので本格的には使えませんが、走行距離や旅行経費などを控えておくには便利です。もちろんデーターは家のパソコンで共用できます。
MP3プレーヤー、メディアプレーヤー・・・大容量SDカードに入れとけば映画だって見えるらしいです。
ネットやメール・・・・使ってませんが家のパソコンと同じ。ネット接続の環境さえあればWebから情報を収集したり旅行先から家のパソコンとリンクしたりできます。
六宝は使わないと思いますがモバイルパソコン用に沢山ソフトが販売されているようです。
使用してみて・・・
GPS機能
GPSをスタートしてほんの10数秒で衛星信号を捕捉し地図上に現在地を表示します。トンネルなどでロストしてもトンネルを出ればすぐに捕捉します。
後で走行履歴を見るとGPSをスタートさせ、捕捉した瞬間だけ10メートル程度の誤差が1〜2ポイント付きますが、その後は多くて数メートルの範囲でトレースします。
また、嫁の買い物に付き合った時、買い物かごの中にアンテナが上になるよう置いて持ち歩いてみましたが、しっかりトレースしていました。
山歩きなんかでリュックのどこかに入れてあってもアンテナが上を向いていれば使えます。
バイクとの相性
画面が小さいので細かい部分まで見えません。拡大率を大きくすると全景が見えないし小さくすると細かすぎてわからなくなります。
しかしバイク走行ってのは周囲からの情報量が自動車に比較してはるかに大きいため、たとえ画面が大きくても走行中じっくり見るのは危険です。
こんな時はバックライトの設定を、30秒で消え、画面をたたけば再点灯するようにしておくと、信号待ちや安全走行のできる環境の時だけ見る事ができます。
ただ、拡大率変更のボタンが1×2o程度の升目サイズなので、バイク用グローブではどこをたたいているのかわかりません。「ペン置き台」が要りそうです。
本体が振動で飛び出すのを防ぐためゴムバンドで固定したり、振動でアンテナが下がってくるのを防ぐためゴムバンドで縛ったり・・・・。
また、バックライトをいっぱいまで明るくしても日中の直射日光では殆ど見えませんので遮光フードも必要かもしれません。防水対策も施さなければなりませんし・・・・。
こんな風にしてごちゃごちゃ取り付けると格好悪くなっちゃいます。
必要なアイテム
さて、こいつを地図代わりに持ち歩こうとすると、多少無理があります。
原因は画面の狭さ。走行中の次の交差点をどうするかという情報はこれで十分ですが、これからの走行計画を立てようとすると、現在地と目的地を含む全体が把握できないのです。Mio168とは別に地図本も持っていた方が良いでしょう。
それと、方位磁石。これは山歩きする人には判ると思いますが、地図上で現在どちらを向いているかを知るための必需品です。
六宝の自分的結論
Mio168は基本的にパソコンなので、購入時点で目的外の機能が沢山付いています。それはそれで愉快ですがパソコンの苦手な人には馴染みにくいものです。
また地図ソフトには専門用語が多く、ラスターとかベクトルなんて言葉の意味から理解する必要があります。
六宝はなるべく安価で複数のバイクと自転車と自動車に取り付けられてしかも持ち運びもしたいという「どあつかましい」要望からMio168を選びました。
機能的には十分すぎるスペックを持っていますがバイクへの取り付けはあまり格好良くできません。
思い切って電波を受ける状態でバックの中に仕舞い込んでおき、必要な時だけバイクを止めて見るというのも良策だと思います。
「バイクに取り付けるGPSナビ」と割り切った場合は少し高価でも防水型を選んだ方が綺麗でしょう。バイク乗りは格好も気にするのです。
宝物50号にはもっと格好良い方法を考えてみます。
フルセットには目的地へ自動ナビしたり、音声誘導したりするMioMapというソフトが付属しますが六宝的にはあまり実用ではない様に思います。
バイクツーリングは基本的に風を感じて走っているんです。どれほど精巧なカーナビであってもそこから得る情報量より風景や道路標識等から得る量の方がはるかに多いのです。
自動車でのドライブならまだしも、バイクツーリングにはあまりごちゃごちゃした機能は不要です。
Mio168の良い所は「現在の場所が即座にわかる事」です。六宝は基本的に束縛された走行が嫌いなので、こいつに頼って走行する事はないと思います。ただ道に迷った時、
即座に自分の居場所がわかるのはとても有難い機能です。つまり今までより気楽に道に迷えるんです。
とにかくMio168の場合はあまりお手軽ではありません。将来的にバイク専用に設計されたGPSナビが発売される事を望みます。
しかしこんなMioでもツーリングや輪行の大切なアイテムになる事は間違いありません。
完全装備? アンテナが垂れ下がらないよう輪ゴムで補強 飛び出し防止のため本体を輪ゴムで固定 雨、埃対策にポリ袋で防御 あと遮光はどうしよう 格好悪い? |