January.2002
短波放送のJJYが廃止され、電波時計というものがちまたにあふれ出しました。古い物好きの私も、時代に取り残されてはいけません。新旧「合体」という事で、ここは切り抜けようと思います。
ご本尊は、でかい丸形時計
時計本体は、恐らく戦前のものだと思います。物の無い時代を反映して振り子はガラスを使用していましたし、パネルはベークライトに紙が貼り付けてある代物です。電波時計にはベークライトの方が感度に影響しないので良いかも知れません。
SEIKOSYA製直径42pで、色は茶色。木目のきれいな、かなり迫力のある振り子時計です。
この状態でも修理すれば充分振り子時計として生きて行けるのですが、当初の志しを貫徹させるため、決死の覚悟で分解しました。(写真を撮っておけば良かったのですが・・また分解したときにUPします)
電波時計メカ
次に、電波時計の方ですが、最近の電波時計のメカ部分は小型化され、普通のクオーツ時計のメカ部分の様に時計軸の部分をねじ止めして固定させるタイプがあります。これなら、簡単に古時計に取り付けられます。
電波時計の針の位置はどうしよう
一つ困ったことがあります。それは、メカ部分をはずず為には3針をはずす必要があることです。はずすのは良いが、取り付ける時何時を示しているのかわからなくなってしまいます。何しろこいつにはリューズが無いのですから・・・。
とりあえずラジオの時報とともに電池をはずし、その時間を記録しておき、取り付けの際、その時間に針を合わせて取り付けるという方法を取りました。
古い時計をきれいにする
やはり古くても汚れているのは嫌いです。ねじ部分を全部はずし、パネルは当然、メカもガラスもはずしました。
パネルの汚れは、普通なら洗剤と水洗いで良いのでしょうが、相手がベークライトに紙です。しかも24時間表示用に赤いシールが貼られています。
試しに24時間表示のシールにスポンジで水を垂らしてみますと。じわりシールが浮いてきます。シールは障子を貼るときに使う普通の糊です。と云うことは、ベークライトと紙もその可能性があります。ちなみに表示はペンキですから問題ないようです。まず、先ほどの要領でシールをすべてはずした後、風呂場で静かに石鹸水で洗いました。茶色い汚れが気持ちよく落ちました。あまり長く漬けてはだめなので、いい加減なところで取り出し、シャワーですすぎました。予想道りベークライトと紙が剥がれましたので、紙が乾く前に障子用糊で貼り付けました。乾いたときは、写真のようにきれいに貼れていました。多少の黄ばみとシールの跡はあきらめます。
尚、本体に付いた汚れはブラシと雑巾、内部の虫さんの残骸は電気掃除機できれいになります。
パネルにメカを取り付ける
先ほど時報とともに電池をはずした電波時計の針を抜き、メカ本体をはずします。これを古時計のパネルに取り付けるのですが、パネルを洗ったり、紙を貼り直した影響でしょうか、多少湾曲しています。このままではだめなので、パネルの裏側に木で補強を入れました。これでまっすぐになります。
針は古時計のものにマウント部分の金具だけ付け替えて利用します。材質はアルミですが、軸からのバランスが悪く、このままではメカに影響がありそうなので、銅板でバランス調整しました。
パネルにメカを取り付けた後、はずした時間位置で取り付けます。
電池ですが、メカに単3を入れて、約1年間動くと書いてありますが、いちいちパネルをはずして電池を入れ替えるのも面倒なので、線を延ばして古時計下部の振り子の窓に単2電池を収納できる様にしました。計算では3年は動き続けることになります。
振り子時計の頃ネジを巻くための穴が2個あいていますが、必要なくなりましたのでふさぎます。畳にカーペットを置く時、ずれないよう固定するピンにレトロチックなものがありました。わからないでしょう。
始動!!
壁に取り付け、電池を入れます。はじめはとんでもない時間を指していましたが、突然すごい早さで回り始め、正確な時間まで来ると、普通の時計に戻ります。
ものすごくレトロな外見とは裏腹に、いつ見ても秒針まで正確なのがうれしい。それと静かなのがいい。実は私は他に2台、振り子時計を所持していますが、コチコチ音とボンボンがやかましいと言われ、ガレージの片隅に追いやられてしまいました。その点これは木製の本体と分厚いガラスで、ほとんど音がしません。
製作してから半年ほど経ちましたが、今は家の一部になっています。